腸チフスワクチン
腸チフスとは
チフス(腸チフス)は腸チフス菌によって引き起こされる重篤な疾患です。腸チフスに感染すると、高熱、全身衰弱、腹痛、頭痛、食欲不振、時には発疹を引き起こします。発症後に治療をしなければその死亡率は30%以上といわれています。チフスにかかった人の一部はいわゆる「保菌者」となって、病気を媒介するようになります。
チフス菌は人間のみが保因者となります。一般的に、感染者や回復期の患者、保菌者の便で汚染された食べ物や水から感染します。性交でも感染することがあります。チフスは全世界で年間2100万人が感染して、約2万人が死亡しています。チフスは日本国内では通常見られませんが、日本人のほとんどが旅行中に感染しています。南アジアでのチフスへの感染危険度は他の地域の6〜30倍で、この地域のチフスは抗生物質の多くに耐性を持っています。
チフスの潜伏期間は6〜30日です。
感染地域
南アジア、東南アジア、東アジア、アフリカ、カリブ、中央・南アメリカ
腸チフスワクチンについて
現在のところ、腸チフスの国産ワクチン、国が認可している輸入ワクチンはありません。腸チフスの予防のためには輸入ワクチンの接種が必要です。
3回のワクチン接種後、6か月以内に咬まれた場合には0日、3日の2回の接種が必要です。また、6か月経過後に咬まれた場合には0日、3日、7日、14日、30日、90日の6回のワクチン接種が必要です。
Typhim Vi
腸チフスの不活化ワクチンです。2歳以下の小児には投与できません。1回の投与で予防効果があります。ワクチンの効果が現れるまでに最低2週間は必要ですので、旅行前最低2週間で接種してください。感染のリスクがある人は2年ごとに同量の接種が必要です。当院で接種しているワクチンはこの腸チフスワクチンです。
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